− 長男一家 −


右代宮 蔵臼 (うしろみや くらうす)

 六軒島の右代宮本家に住まう、金蔵の第一子、長男です。
 金蔵が黒魔術趣味に傾倒して書斎に閉じ篭るようになってからは、彼が実質上の当主代行となっています。
 幼い日から金蔵に帝王学を仕込まれて育った文字通りの次期当主ですが、若き日の金蔵に宿っていたような天才的才能や金銭的嗅覚は、残念ながら備わっていないと言われます。
 彼もそれを自覚していて、父親と比べられ常に劣っていることに対するコンプレックスがあるようで、父親のような大きな経済的成功を収め、自分を認めさせたいという気持ちがあるようです。しかし残念ながら、彼の経済的挑戦はその度に、己の無能さを思い知らせる結果に終わるようです。
 その結果、彼はせめて威厳だけは当主らしくあろうと振舞おうとし、非常に尊大で高慢な人物になったと評されています。弟や妹たちにも、非常に高圧的に接していたようで、今なお、兄弟間のしこりは残ったままです。
 そんな独善的かつ独占的な兄が、近い内に訪れるにもかかわらず未だ保留されている、父親の遺産問題を全て独り占めしてしまうのではないかと、他の兄弟たちに疑われています。
 リゾート開発に莫大な投資をしていて、バブル期の到来により、以後、絶大な収益を上げていくと期待されていますが、それ以前までの損失を埋めるほどになるのかは怪しいところです。

(マウスを乗せると全身像が見れます)
キャラ一覧に戻る



右代宮 夏妃 (うしろみや なつひ)

 蔵臼の妻です。自身も右代宮家同様の、没落した名家出身の箱入りお嬢様でした。
 非常にプライドが高く、高潔で義理堅く自尊心の強い女性です。ビジネスばかりにかまけている夫に愛想を尽かし、家の切り盛りや使用人の管理、娘の教育などの全てを熱心に取り仕切っています。ただ、熱心すぎてかえってうまく行かなくなってしまうことがあり、反抗期を迎えた娘とは最近、関係がうまく行っていない様子です。
 蔵臼の妻として、金蔵の孫を一日も早く授かることを最大の役目として嫁ぎながら、実に12年もの間、子宝を授かることができず、その間、非常に辛い境遇に置かれていたことがあります。そのことが、彼女の女性としてのプライドをどれほど傷つけたかは、状況を知らぬ者には想像することも難しいかもしれません。
 しかし責任感の強い彼女は、そのようなことに挫けることなく、右代宮家の台所を預かる妻としての責務を全うし続けています。残念ながら、その境遇や辛さは夫に理解されることはなく、六軒島に花嫁として訪れて以来、彼女の心が軽くなる日はありません。その為か、いつの頃からか彼女の感情は弾けることが多くなりました。それを彼女は悩んでいますが、自分ではどうすることもできません。せめて娘には女として幸せな人生を送ってほしいと願っていますが、それを伝えることもできずにいます。
 生まれつきの頭痛持ちで、年中頭痛に悩まされており、そのせいかいつも気難しそうな表情を浮かべています。

(マウスを乗せると全身像が見れます)
キャラ一覧に戻る



右代宮 朱志香 (うしろみや じぇしか)

 蔵臼と夏妃の娘です。蔵臼の次の次期当主となりますが、男尊女卑の右代宮家では女性は当主にはなれず、将来的には朱志香の夫が右代宮家を背負うことになると思われます。
 反抗期の真っ只中のため、母親から令嬢らしい振る舞いや言葉遣いを強要されてきたことが全て反動で跳ね返った結果、非常に上品らしからぬ振る舞いや言葉遣いをするようになりました。そのため、その印象は非常にラフで、令嬢らしからぬ解放的な感じを与えています。成績も悪く、右代宮家の跡継ぎとしてはあまり相応しいとは思われていません。
 右代宮家の一員で跡継ぎであるということには、面倒臭さしか感じておらず、早く島を抜け出して都会で自由な生活を満喫したいと常々夢見ています。もちろん、財産などにはまったく関心がなく、自分をこの島から連れ去ってくれる白馬の王子様を夢見る、年頃の自由な少女に育っています。
 教育に厳しい母親との仲は悪く、家族を顧みない父親とは交流すらありません。また、六軒島には右代宮家しか家がないので、友人たちは新島の学校にしかおらず、友人たちと電話でおしゃべりするのが唯一の日課です。そんな彼女にとって、この島での生活はとても寂しいものであることは、想像に難しくないでしょう。
 生まれつき気管支が弱く、突発的な喘息発作を患っています。その為、気管支拡張剤の吸入器が手放せないようです。また、友人たちとの楽しい時間が自分の喘息のせいで終わってしまうという経験を何度もしてきたため、彼女は喘息を気遣われることを極度に嫌います。

(マウスを乗せると全身像が見れます)
キャラ一覧に戻る