− 使用人 −

使用人 嘉音(かのん)
 右代宮家に仕える使用人です。紗音同様、福音の家の出身で、金蔵に対する深い忠誠を誓い、片翼の鷲を身にまとうことが許されています。
 勤めは3年ほどになり、使用人たちのローテーションの隙間を埋める形でのシフトを与えられています。その寡黙な勤務態度は評価されていますが、いつも浮かべている淡白な、あるいは不機嫌そうな顔つきのせいで、損をしていることが少なくないようです。
 男性としては線が細く、力仕事は苦手なようです。それに対しコンプレックスがあるようで、力仕事の手伝いの申し出があると頑なに断って、自分ひとりで遂行したがる負けず嫌いなところがあるようです。
 その寡黙な勤務態度は使用人頭である源次にも気に入られているようで、源次を通して金蔵にも若くして気に入られていると言われています。その為、彼もまた息子夫婦たちには金蔵のスパイだと思われており、彼の日々の努力にもかかわらず冷遇されることがあります。
 彼もまた福音の家から右代宮家に使用人としてやってきて、慣れない仕事に苦労し、それを紗音に教えてもらったり、庇ってもらったりしたことがあります。そのことに強く恩義を感じているのか、紗音に対し強い尊敬の念を持ち、彼もまた彼女を姉と呼んで慕っています。
 朱志香に歳の近い異性ということもあってか、母親である夏妃は、嘉音が朱志香に近付くことがないよう目を光らせています。彼には朱志香に対する特別な感情はないのですが、夏妃の過剰な冷遇は時折いじめと呼べるものとなっています。

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使用人 郷田(ごうだ)

 右代宮家に仕える使用人です。本来は料理人として雇用された為、彼が厨房に立つ日の食事は素晴らしく、誰もが賛辞を惜しみません。その為、重要な客人を招く日や、年に一度の親族会議の日には必ずシフトが当てられ、その日に辣腕を振るう名誉が与えられています。
 本人は元々、高級ホテルのレストランの名物シェフだったそうですが、店のトラブルから辞めざるを得なくなったところで右代宮家にスカウトを受け、使用人となりました。その生活は彼にとっては斬新で、不特定多数の人間に料理を作ることと違い、極めて限られた一部の人々にだけ特別な料理を提供するという環境に満足しています。
 かつてよりも高給で雇われ、大富豪一家に仕えることができたことに大層喜びましたが、まだまだ自分を認められたいと、彼は高い向上心を持っています。その為、片翼の鷲を許された使用人たちに対し、階級的に劣っているように思い、彼らより自分が劣っていないことを示そうと、ホテル仕込の接客技を披露しては、格の違いを見せつけようと躍起になっています。特に源次にはライバル心を燃やしているようで、特別な場所で接客の勉強をしたことがないらしい源次の接客の重箱の隅を突いています。
 ホテル仕込の接客は完璧でその評価は非常に高いのですが、時に過剰で余計なお節介になることがあります。また、絶やさない営業スマイルはたまに、何を考えているかわからないと言われてしまうこともあります。
 また、彼は筋骨隆々な大男で、そんな彼が深々とお辞儀をするのは実に迫力があります。

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使用人 熊沢(くまさわ)
 右代宮家で家事を手伝うパートタイマーです。六軒島に屋敷が建てられた当時から働いており、体調や家族の都合でやめたりを何度も繰り返しています。その為、使用人の中での地位は高くありませんが、右代宮家の内情や屋敷や島の様々なことに精通した古老のひとりでもあります。
 六軒島の人間の中でおそらく最高齢と思われますが、ゴシップや噂話が大好きでとにかくたくましくて元気な女性です。彼女が老いを装うのは力仕事をサボりたい時だけで、要領の良さも含めて何とも逞しい、百歳を越えても元気そうな老女です。
 また、八丈島の漁師の家に生まれ育ったため、大昔の六軒島の伝承などにも詳しかったりします。海や島に関する怪談話も豊富で、親族の子たちが幼かった頃は、怖がらせて大いに楽しんでいたようです。
 おしゃべりで隠し事のできない性格は、彼女の長く献身的な使用人生活の評価を、残念ながら曇らせてしまっています。しかしそれは嫌われているという意味ではなく、円熟しユーモアも持つ彼女の存在は、今や屋敷の潤滑油としてなくてはならないものです。
 そんな彼女は若い使用人たちの面倒見もよく、使用人頭の源次が父役なら、まさに母役と言えるでしょう。特に、ミスの隠蔽や誤魔化しについては得意で、そういう粗相をした若い使用人に相談を受けては知恵を貸し、大いに尊敬されています。もっとも、そういう点は雇用者側からは尊敬されるべきものか大いに怪しいですが。

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