− 長女一家 −


右代宮 絵羽 (うしろみや えば)

 金蔵の第2子、長女です。現在は島外で暮らしています。
 息子が成人するような年齢にもかかわらず、子どもっぽい快活な魅力を持つチャーミングな女性です。ただし、右代宮家特有の陰湿さも多少は受け継いでいるようで、その小悪魔的な笑顔をわずかほども歪ませることなく、傷つけるような言葉を口に出来る一面も持っています。
 普段はそんな一面などおくびにも出さない大人の女性なのですが、親族会議で兄弟たちが集まってしまうと、つい昔の自分に戻ってしまい、口の悪さが顔をのぞかせてしまうこともあるようです。そこには、兄の蔵臼に子どもの頃にいじめられていたことに対する積年の恨みが見え隠れしています。
 そんな兄夫婦に長い間、子どもが恵まれなかったため、そこに付け入る形で父親に婿養子を取ることを認めさせ、本来なら結婚と同時に右代宮家の籍を失うところを、その籍を残し、留まり続けることに成功しました。
 また、兄夫婦の娘、朱志香よりも早く、息子、譲治を出産しており、しかも男尊女卑の右代宮家において、男児であること、そして、朱志香と違い非常に素直で成績優秀であることなどから親族間の受けもよく、彼女は何とか自分の息子を当主跡継ぎの争いに絡ませていきたいと願っているようです。それは、右代宮家を我が物にしたいという強欲さのなせる業というよりは、コンプレックスの残る兄に対して何かを見返したいという子どもの頃の復讐がずっと彼女の根底に残り続けているからなのでしょう。

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右代宮 秀吉 (うしろみや ひでよし)

 絵羽の夫です。恰幅がよく邪気のないつぶらな瞳と和ませる人柄で、右代宮家においてとても貴重な人物です。
 戦時中の空襲により身寄りを全て失い、焼け野原からたったひとりで立ち上がり、事業を成功させて財を成した苦労人です。その境遇から、まだ猜疑心に凝り固まっていなかった頃の金蔵には非常に気に入られていたといいます。
 また、身寄りを全て失ってしまった悲しい経験から、婿養子となって迎えられた右代宮家を新しい親族としてとても愛しており、甥や姪たちにも深い愛情を注いでいます。その為、小遣いの振る舞いもよく、親族の子どもたちからも深く慕われています。
 営業上、相手に名前や印象を強く残したいという思いからだと本人は自称しますが、関西弁をオリジナルに解釈したヘンな言葉遣いをします。ただ、本場関西の人の前では恥ずかしいらしく、標準語に戻すようです。その不思議なキャラクターは、本人をこの上なくユーモラスに見せてもくれますが、エレガントさに欠けるという中傷もあり、彼の本来の成功を正当に評価されない一因となっているのではとの指摘もあります。
 焼け野原で屋台を引っ張って努力した青年は、中堅の外食チェーン運営会社を興し、その会社は順調に成長し、近年、念願の株式上場に漕ぎ着けました。莫大な財産を持つ右代宮家から見ればそれは慎ましやかなものに過ぎませんが、焼け野原の裸一貫からどこまでも成長していく好男児ぶりは、非常に好感が持てます。

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右代宮 譲治 (うしろみや じょうじ)

 絵羽と秀吉の息子です。両親の良いところを受け継いだ好青年です。
 大学入学と同時に父親の会社に籍を置き、会社経営の生きた知識を学んできました。
 もっとも尊敬する人物は父親であると公言し、自分もやがては一国一城の主になろうと、若手実業家への階段をちゃくちゃくと上り続け、日々熱心に勉強を重ねています。
 本来の彼は心優しいがゆえに遠慮しがちな、ややもすると気弱な、大物としての器に欠ける人物と評されていました。しかし、会社経営者としてのリーダーシップを学んだ結果、それを克服。人の心と痛みが理解できながら、リーダーとしての力強さも見せられるという、理想的な姿に成長しました。
その成長ぶりに、親族たちの間では、それらしく振舞わない朱志香よりも当主跡継ぎに相応しいのではないかと囁かれています。母の絵羽は、それを実現しようと躍起に暗躍しているようですが、譲治自身に当主跡継ぎへの関心はありません。なぜなら、焼け野原から立身した父親を尊敬しているため、富の世襲などに頼らずに立身したいという強い意思があるからです。その為、彼が当主跡継ぎを希望することは考えにくいのが実情です。
しかし、年に一度の親族会議でいとこたちが集まる時は、子どもの頃からの純朴な姿に戻ります。年下のいとこたちの面倒見もよく、今でもいとこたちに慕われています。

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